アパートや貸家が相続財産となる方

質問

広島市安佐南区東原に住んでいる父が自宅近くに200坪の空き地(時価1億円)を持っています。

そんな父にハウスメーカーの営業の方から相続税対策としてアパートを建てないかという提案を受けています。実際にアパートを建てることによって、相続税は節税されますか?ほかに気を付けることはないですか?

アパート・マンション

回答

アパートを建てることにより相続税は確かに節税されます。

以下、説明です。

※土地の上に1億5000万円のアパート建物を全額借金で建てたとします。ただし、入居率も相続税評価に影響しますが、入居率は100%になっているとします。

① 土地の相続税評価

土地の路線価は125千円/㎡

土地の地積は200坪×3.3=660㎡

125,000円/㎡×660=8250万円

② 建物の評価

アパートの評価は相続税法上 

固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)です。
建物の相続税評価は基本的に固定資産税評価額で行われますが、1億5000万円かけて建てたからと言って、固定資産税評価額はその金額とは開きがあります。建物の固定資産税評価額は新築当初は請負工事金額の50~60%程度で評価されます。
そのため、アパートの相続税評価額は
1億5000万円×0.6×(1-0.3×100%)=6300万円

③ 債務の評価

1億5000万円

④ アパート事業に関する相続財産評価

①(土地)+②(建物)-③(債務)=マイナス1,688万円

つまり、対策前は相続税評価額8250万円であったのが、アパートを建てることによりマイナス1,688万円になり、9,938万円の相続財産の圧縮に成功しました。

注意点

① アパート事業は、あくまでも事業です。アパートを建てる前には事業計画を立てたりしますが、その通りに入居者が入るか否かはわかりません。しかも、総投資金額は大変大きいので、その事業を進めるにあたり慎重な判断が求められます。
② 時価1億円の土地の上に1億5000万円かけてアパートを建設しても、この不動産をいざ売ろうとした際に2億5000万円で売れるわけではありません。収益不動産の売買価値はあくまで収益性で判断されます。時価1億円の土地の上にアパートを建てたために、売却価値が1億円を下るようになってしまう例もあります。

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