空き家問題が深刻になっています。親の居宅を相続したけど、住む人間がいないまま放置されているケースも多いです。親から相続した実家を売却する際には所得税が課税されますが、空き家の譲渡所得の3000万円特別控除の特例もあり節税できます。相続専門の税理士が解説します。
1. 今、空き家が増えています。
進学・就職・結婚等により、親が居住する実家から都心部へ出ていく若者が多く、親に相続が発生した際に子は実家を相続するものの、生活の拠点は都心部にあり、その実家には住む人間がいない状況が多くなっています。
住まない家には固定資産税も課税されますし、家屋を放置していると老朽化も加速化してしまい、
大きな社会問題となっています。
2. 古い実家を売却した時の税の問題
土地・建物を売却した時の利益には、譲渡所得税が課税されます。譲渡所得は以下の算式で計算されます。
譲渡所得=土地・建物を売却価格-取得費-譲渡費用ー特別控除
取得費とは、その土地・建物を取得(購入・建築)した時の金額をベースに計算するものだが、
古い実家の場合、
➀取得したのは親で、何十年も前のことであり、取得した金額が不明だったり、
➁取得した金額が判明しても、何十年も前のことで貨幣価値が低い時期で、取得費が著しく低いため、
取得費が概算取得費(売却価格✖5%)しか認められず、売却代金の2割近くの譲渡所得税が課税されることになります。
相続の税の実務上、その譲渡所得税の金額は相続税の金額を上回ることも多いです。
3. 空き家の譲渡所得の3000万円特別控除の特例
➀昭和56年5月31日以前に建築して
➁相続開始直前まで被相続人以外に居住した人がおらず
➂区分所有建物登記がされておらず
➃売却価格が1億円以下の
実家については相続開始から3年を経過した年の12月31日までに売却し、
売主又は買主が翌年2月15日までに建物の解体工事もしくは耐震工事を完了させた場合に3000万円の特別控除が適用できます。
注意すべきは、この特例を適用には、売却した資産の所在地を管轄する市町村長から交付をうけた「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です。
例えば、広島市にある実家の「被相続人居住用家屋等確認書」の発行の申請をするにはこちらを参照ください。
限定された条件であるものの、実家の売却に関して、譲渡所得税の負担は大きいので、
空き家の譲渡所得の3000万円特別控除の特例を適用できないかはよくよく検討した方がよいと思います。
相続税申告相談プラザひろしまでは、相続して取得した不動産の売却経験も豊富なので、気軽にご相談ください。
この記事を担当した税理士※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
棚田 秀利
1966年広島県呉市に生まれる。修道中学・高校を卒業して早稲田大学商学部へ入学。大学卒業後安田信託銀行株式会社(現:みずほ信託銀行株式会社)に入社して個人資産家を対象に遺言信託・土地の有効活用を提案。税理士資格を取得して平成9年税理士開業。現在は相続セミナー・個別相談会を多数開催する一方で、平成30年よりFMちゅーピーにて相続番組を放送中。

