年間300件以上の相続税の相談を受ける相続税の虎こと税理士の棚田秀利です。
2020年2月20日、FMちゅーピーで、贈与税の相続時精算課税贈与について、話しました。
暦年贈与が相続税の節税効果の有効な手段として認知されています。
しかし、同じ生前贈与であっても、別に相続時精算課税贈与というものがあります。
相続時精算課税贈与の制度とは、
60歳以上の父母または祖父母が
20歳以上の子または孫に対してする贈与で、
生前贈与をするときは2500万円まで贈与税を非課税にするが、贈与した人が亡くなった時には、
その人の遺産だけでなく、
過去に生前贈与した財産も一緒に、
相続税を課税する制度です。
まず前提条件として大事なのは、
相続時精算課税贈与の、相続税節税効果はありません。
しかも、一旦精算課税贈与を選択すると、後で暦年贈与に戻ることはできません。
片道切符です(><)!
相続税の節税効果がないといわれる相続時精算課税贈与ってどういう場合に利用するべきなのでしょうか?
具体的にどういうケースがあるか、考えてみました。
ケース1.相続税がかからないご家庭での子供への贈与
チマチマ110万円贈与するよりは、どのみち相続税が課税されないのだから相続時精算課税を使って2500万円までの大きな贈与をイッキできます。
ケース2.年老いた私がカネ持っていても宝の持ち腐れだ。将来あるけど今カネない息子へ
メチャメチャいい親です。私もその子供になりたい。。。
ケース3.親「子供は兄弟間の遺産分割でもめそう。とくにアイツはお人よしだし。」
遺産分割は気を遣います。結局お人よしが損するケースが多いです。その防御策として、あらかじめ相続時精算課税贈与により財産を渡しておきます。
ケース4.子「親に遺言を書いてもらったけど、親は優柔不断なのが心配。えっ、遺言って、書き直せるの?!」
特定の財産を遺贈してもらいたい子供としては、不確定要素の高い遺言よりは生前贈与してもらって早めに確定したい。
ケース5.子「認知症予備軍の親の生活資金の管理に家族信託がいいのはわかっている。でも、時間もないしおカネもかかるし。」
認知症対策としての家族信託代わりに、相続時精算課税贈与を使います。どのみち相続税も贈与税もかからないのであればコストも安くつくし、何より手軽にできます。
結論:相続時精算課税贈与もいろいろ使えます!
相続時精算課税贈与は制度自体はずっと以前からありますが、「生前贈与=相続税の節税」に捉われ、あまり使われていないのが現状です。
でも相続税申告相談プラザひろしまであれば、本来の相続税申告だけでなく、相続時精算課税贈与についても精通しています。
広島で相続税・生前贈与に関するお困りごとがございましたらお気軽に無料相談をご利用いただき、お話をお聞かせ下さい。