【FMちゅーピー】相続税申告における外貨建て財産の相続税評価

年間300件以上の相続税の相談を受ける相続税の虎こと税理士の棚田秀利です。
2020年5月21日、FMちゅーピーで、「相続税申告における外貨建て財産の相続税評価」について話しました。

相続財産の中にドルなどの外貨建ての財産があった場合には

相続税の計算上、その財産を円に為替換算しないといけません。

その換算する為替レートはどうしたらよいのでしょうか?

各金融機関によって為替相場が異なるのですが、
の金融資産の取引銀行の為替相場で計算
されます。

つまり、広島銀行で取引した外貨であれば、
広島銀行の為替レートで計算されることになります。

また、野村證券で取引した外貨建ての有価証券であれば、
野村證券の為替レートで計算されます。

じゃあその為替レートをどうやって調べるかというと
ネットでその為替レートを調べることができます。

以下広島銀行の2020年の外国為替レートですが、このデータはネットで入手できます。

為替レートにもTTSとTTBがあります。

アルファベットが並んで訳がわかりませんが、
どちらのレートを使ったらいいのでしょうか?

TTBとは日本語では対顧客直物電信買相場で漢字が多くますます訳がわかりませんが、
私たちが銀行へ外貨を持って行って買い取ってもらうレートです。
これに対してTTSとは日本語では対顧客直物電信売相場であり、
円を外貨に交換する際のレートです。

 

よって相続財産に外貨建ての預金・有価証券がある場合には、
被相続人の死亡の日における最終のTTBで計算
されることになります。

もしその死亡の日が土日祝日で相場が開いていない場合には
最終のTTBを確定することができないので、

課税時期前のTTBのうち、課税時期に最も近い日のTTBで計算します。

 

また、あまりそんなことはないと思いますが、預金・有価証券ではなく、
外貨建ての債務があった場合にはTTBではなく、TTSで計算されます。

 

有価証券といえば、通常の上場株式の相続税評価は

① 課税時期の最終価格
② 課税時期の月の毎日の最終価格の平均額
③ 課税時期の月の前月の毎日の最終価格の平均額
④ 課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額

上の四つの価額のうち最も低い価額で評価しています。

 

これが外貨建ての上場株式であればどう計算するのでしょうか?

 

選択肢1 
すべて各々の時点のTTBで計算し直した円で計算した①から④の価格で最も低い価格

 

選択肢2 
外貨で①から④の価格を一旦計算しておいて、最後に死亡した日のTTBで円換算した価格

 

答は選択肢2です。
1はあまりに複雑な計算ですよね。
シンプルでよかった(^^;)

通常の相続税申告の際には、その相続財産は主に国内の金融機関の預金・有価証券と国内の不動産が占める場合がほとんどです。

しかし、現在投資のグローバル化が進み、中には外貨建ての預金・有価証券・生命保険が相続財産に含まれることも珍しくありません。

そんな時には、相続税申告の経験多数な税理士事務所に申告を依頼された方がご安心できると思いますので、広島市及びその近郊にお住まいの方はまず当事務所の無料相談をご利用されてはいかがでしょうか?