相続対策の基本(放送開始160回目)

一般的に、「相続対策」というと「相続税の節税対策」を思い浮かべます。しかし、昨今の状況では、相続税の節税だけでなく、誰がどの財産を相続するのか等様々な問題を検討しなければいけません。


1. 相続税の対策

一言「相続税対策」と言っても、私が信託銀行マンだった平成初期のバブル期の頃は、「少しでも相続税を安く」ということだったと思います。

相続税を払いたくないがために、多額の借金をしてアパートを建設したりしていたと思います。
しかし、令和に入ってもちろん「相続税」の問題は依然として残っていますが、他に解決すべき問題もあり、相続税に関しては、
「まず、相続が発生した際に相続税が払えるのか?」という問題をまずクリアできるのか?

できれば「相続税は、被相続人の預貯金を解約すれば払い切れるのか?」ということが大きいです。

被相続人が所有する不動産の売却資金を相続税の納税資金としたら、不動産の売却に時間がかかり、相続税の納付期限に間に合わない可能性が生じてきます。

2. 誰が相続するのか?

遺言がなければ遺産分割協議での相続人全員の合意が必要になりますが、その合意成立を簡単に期待しない方がよいです。
被相続人の生前時の相続人同士の人間関係が、相続発生後も同じように維持できているかわからないですし、

相続人同士の人間関係が維持できていても、各相続人の周りの人間関係がそれを許さない可能性もあります。
しかも、遺産分割協議をすることにより、兄弟姉妹間で財産の話をすることになり、新たな家族不和を呼ぶ火種になりかねません。

遺産分割協議が揉めて、相続税の申告期限に間に合わず、余計な相続税・無申告加算税・延滞税を払わされる可能性もあります。

3. 相続財産が手続きしやすい状態になっているか?

取引銀行数が多すぎないか?

単純に取引銀行が10行あると、相続手続きが取引銀行が1行の時の10倍のボリュームがあります。

時に平成初期には1行あたりの預金保険が最大1000万円までしか利かないので、ペイオフ対策として必要以上に取引銀行が増えている可能性がありますので、相続手続き対策として取引銀行を絞る必要もあるかと思います。

相続財産に株式が入っていないか?

一般的に、相続した証券はなかなか資金化しません。

相続手続き自体が複雑なうえ、その証券会社に相続人が口座を開設しないといけません。その口座に移して売却してやっと資金化します。

海外不動産、海外口座に注意

海外不動産は基本的に相続手続が困難でコストがかかります。基本的に現地に行かないと手続きが進みません。

相続税申告相談プラザひろしま は、相続税申告だけでなく生前の遺言作成から相続発生後の名義変更の手続きもサポートさせていただいております。
初回相談無料ですので、気軽にご相談ください。