相続の手続きを進めるにあたって、相続人全員の協力がないと遺産分割協議が進まず困ったことになることが多々あります。なぜそんなことが起きるのか?その対策について相続専門税理士が解説します。
遺言書がない場合
法定相続人が全員で遺産分割協議をして、全員の同意が必要となります。
つまり、全ての相続人の参加がないと、遺産分割協議は成立しないことになり、相続手続きがストップします。
相続人の一部の方と連絡がとれない場合の対処方法
相続人の一部の方と連絡が取れないことにより、遺産分割協議がいつまでも始まらないケースがあります。
そんな時は
1.まずその相続人の住所を調べます
知りたい相続人の住所は「戸籍の附票」で調べることができます。
転籍により本籍を他の市町村に変更していたら現在の本籍にした日以降の住所しか記録されていませんが、最新の住所はわかります。
2. 住所がわかったら、その相続人に手紙を送ります
3. 手紙が反応ない場合にはその住所に訪問もしてみないといけないでしょう。
訪問すると、そもそもその住所に住んでいないとか、運良ければ直接お会いすることもできるかもしれません。
というような実際にはアナログで、偶然に頼るような方法しか残されていません。
なぜ相続人は連絡を無視するのか?
なぜその一部の相続人は連絡を無視するのでしょうか?
➀連絡を取ろうとしている相続人と不仲
➁ずっと以前から被相続人と不仲。
特に被相続人と不仲だった場合、相続人にはそれが把握できていないことも多々あります。
③会ったことがない。気持ち悪い。
④音信不通
こればかりはどうしようもありません。
相続人と連絡が取れているのだが、どうしても遺産分割協議に参加してくれないケースはどう対応するのか?
➀相続人が家庭裁判所で遺産分割協議調停を申し立てます
➁家庭裁判所が相手の相続人の住所地に裁判所への呼び出し状を送ります
③調停でも成立しない場合には家庭裁判所が「遺産分割審判」として遺産分割の方法を決定します
相続人と結局連絡がとれない場合にも対策があります。
➀「不在者財産管理人」を選任します
➁生死不明の状況が7年以上経過していたら「失踪宣告」ができます
しかし、これらの方法を実行するにはそれなりのコストが高くつきます。
いずれにしても相続人と連絡が取れない時には困った状態になることは、遺産分割協議のリスクとも言えます。
遺言書さえあれば
遺言書さえあれば、たとえ相続人の一人と連絡が取れなくても、相続手続きは問題なく進めることができます。
事前の準備が大切ですよね。
遺言がない場合遺産分割協議をしないといけませんが、相続人全員の同意がないといけません。
その際一部の相続人と連絡が取れない時は困った状態になります。
相続税申告相談プラザひろしまは、相続人の一部と連絡が取れない時にも、突き放さず、その方と連絡を取り何とか遺産分割協議が進むようにご協力させて頂きます。
令和6年8月1日FMちゅーピー出演放送155回目