家族信託の専門家の選び方(放送開始131回目)

相続税専門の税理士が答えます!家族信託について様々な専門家がおられますが、どういう選び方をすればよいでしょうか?その基準をお伝えします。

認知症対策として有効な手段として、「家族信託」がありますが、
「家族信託」は聞きなれない法律用語がたくさん出てきてわかりにくくないでしょうか?
家族信託はとどのつまり、委託者たる親?と受託者たる子?とが直接契約するものであり、本来は法律専門家がいなくてもできないことはない契約ですが、信託契約自体が難解であり、下手すると契約が無効となったり、思わぬ結果となることがありますので、やはり法律専門家にサポートしてもらった方がいいと思います。
しかし、この専門家ですが、どの専門家でもいいというわけではありません。


角度を変えて、どんな専門家であればいけないか例示しながら理解を深めていきましょう。

どんな専門家がいいかお話したいところですが、皆さん各々嗜好がおありだと思います。

そこで、「どんな専門家がいいか?」ではなく、「どんな専門家だったらまずいのか?」をお話しして、注意喚起の参考資料にでもしていただければ幸いです。

1. 法律の知識があるといわれる公的資格のない専門家

資格がすべてとは言いませんが、弁護士・司法書士・税理士・行政書士等の国家資格を持つ専門家は、ある程度のレベルの専門知識をもっているということは担保されます。

無資格者への相談は、リスクが大きいので控えた方がよいと思います。

2. 信託契約の設計に時間がかかりすぎる専門家

例えば認知症対策の家族信託を検討されている場合、委託者の認知症が進んでしまえば、家族信託契約の締結すら危うくなってきます。

いわば「時間との勝負」といった意味合いもあるので、スピードが求められます。

また、信託契約の設計に時間のかかる専門家は、もしかしたら経験値が低いということも考えられます。
仕事の遅い専門家は避けた方がよいと思います。

初回相談の際に、いつまでに信託契約ができる見込みなのかを聞いておく必要があるかもしれません。

3. 後々も相談に乗ってもらえない専門家

家族信託のコンサルティングはほぼ信託契約の締結で完了します。

しかし、大抵の方は家族信託に不慣れですし、どう運営していいのかわかりません。

そこで、契約の締結はもちろんのことアフターフォローしてもらえる専門家をお勧めします。

4. 信託監督人をなぜつけなければいけないのか?説明できない専門家

家族信託の専門家の中には、家族信託契約の中に当然のように信託監督人を設定して、自分を薦めてくる方もおられます。

家族信託も適正に運営されているのであれば、信託監督人は必ずしも必要ではありません。

最初の契約に、信託監督人が設定されているのであれば、なぜ必要なのか説明を訊く必要があります。

5. 信託監督人の報酬が高い専門家

家族信託の専門家の中には、入り口の信託契約コンサルティング料は安くしておいて、信託監督人の報酬を高くされる方もおられます。

信託契約コンサルティング料も、信託監督人の報酬も、同じコストには違いないので、総合的に管理しましょう。

6. まわりの家族に黙って信託を勧める専門家

家族信託は委託者と受託者の合意があればできる契約ですが、周囲とのトラブルはできたら避けたいもの。
やはり周辺の環境整理も必要ですし、そこを無視して契約を進めようとする専門家は考えものです。

7. 家族信託に拘りすぎる専門家

認知症対策といっても、家族信託だけではなく、成年・任意後見もあれば、生前贈与を利用する手段もあります。

自分ができるのは家族信託しかないのでその専門家は家族信託しか提案してないことはないでしょうか?

やはり複数の選択肢の中からご自分の納得するモノを選びたいものです。

8. 遺留分対策として家族信託を勧める専門家

信託財産は民法上相続財産ではないという解釈から、信託により遺留分侵害請求を回避できると提案される専門家もいます。
しかし、信託財産は実体的には受益者の財産なので、遺留分の対象となると考えた方がよいです。

しかも、遺留分侵害請求を避けるために設定された信託契約自体法的に無効となる可能性もありますので、注意しましょう。

9 税の知識が乏しい専門家

家族信託は、実体的な受益権は移転しないけど、財産の名義が変わります。
そのため、それが贈与税の対象にならないのかどうか明確にアドバイスしてもらわないといけませんし、

相続が発生すれば当然相続税の対象ともなりますし、
信託財産が収益不動産でもあれば毎年1月末までに「信託の計算書」を提出しなければいけない義務も発生します。

つまり、家族信託においても税の知識が必要とされます。

くれぐれも家族信託の税務処理に関して詳しい専門家をお勧めします。

令和5年8月3日FMちゅーピー出演放送131回目