相続税専門税理士が解説します!不動産賃貸業は法人化した方がよいのか?(放送104回)

不動産賃貸業は法人化により節税できますか?その目安の所得はいくらでしょうか?

なぜ不動産賃貸業は法人化によって節税メリットがあるのですか?

1.法人化して役員報酬を取れば、給与所得控除が適用できます。

よく個人の所得が1000万円以上あれば、法人化した方がよいと言われます。

これは個人の所得が1000万円の際の所得税と、法人の所得が1000万円の際の法人税を比較しているだけで、現実的ではありません。

なぜなら、所得が1000万円の法人であれば、経営者は役員報酬を1000万円出して、法人の所得をゼロにしようとするからです。

そうなると、法人化した方がよいか否かを判定する際には

個人事業で1000万円の所得をだした時の所得税と

法人から給与1000万円をもらった時の所得税を比較すべきこととなります。

そうなると、法人から給与1000万円をもらった時の所得は給与所得控除195万円を1000万円から差し引くことができますので、

法人化した方が所得税が安くなります。

結論的には所得が1000万円とまでいかなくても、所得がいくらであっても給与所得控除があるだけ、法人化した方が所得税が安くなることになります。

2.法人化すれば所得の低い親族を役員にして、彼らに役員報酬を支払い、所得の拡散ができます。

所得税は累進課税なので、所得の低い親族に対して給与を支払い経費処理できれば、所得の拡散ができて節税できます。

しかし、個人事業の場合、同居の親族に対して給与を払っても経費処理できるのは、青色専従者に限定されます。

青色専従者の給与には非常に厳しい制限があり、法人の役員報酬の方がはるかに経費処理しやすいです。

3.個人の不動産所得の経費より、法人化した際の経費の方が、損金処理できる裁量が広くなる。

令和4年6月16日FMちゅーピー放送分(放送開始104回目)