相続税専門税理士が解説します!遺言と遺産分割協議
遺言があったときの遺産分割
遺言があれば、遺言をもとに遺産分割が行われます。
その遺言が自筆遺言であれば、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です。
自筆遺言には「遺言の検認」の手続きが必要
遺言の検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして,遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。
勘違いしてはいけないのは、決して遺言の有効・無効を判断する手続ではないということです。
検認の申し立てに必要な書類
検認の申立書とともに以下の書類が必要です。
①遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
➁相続人全員の戸籍謄本
➂遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
但し、相続人が遺言者の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合は、以下の書類も必要です。
④遺言者の直系尊属(相続人と同じ代及び下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母と祖父))で死亡している方がいらっしゃる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
また、相続人が不存在の場合・遺言者の配偶者のみの場合・遺言者の(配偶者と)兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合には以下の書類が必要です。
4. 遺言者の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
5. 遺言者の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
6. 遺言者の兄弟姉妹で死亡している方がいらっしゃる場合,その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
7. 代襲者としてのおいめいで死亡している方がいる場合,そのおい又はめいの死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
遺言には絶対に従わなくてはいけないか?
遺言に絶対に従わなくてはいけないことはなく、
相続人全員の合意で遺言と異なる遺産分割ができます。
遺言がなければ遺産分割協議へ
遺言がなければ、法定相続人全員による遺産分割協議をしないといけません。
ここでよく質問を受けるのは、
「遺産分割は法定相続分で分割しないといけませんか?」
という質問です。
法定相続分は、法律で定められている遺産分割の目安にすぎません。
法定相続分は以下のように定められています。
FMちゅーピー2022年3月17日放送 (放送開始98回目)