年間300件以上の相続税の相談を受ける相続税の虎こと税理士の棚田秀利です。
2020年12月17日、FMちゅーピーで、
「【FMちゅーピー】相続税と家族信託」について話しました。
FMちゅーピーの2020年内の放送はこの回でラストですので、
まとめさせていただきました。
私は今年はコロナ禍のためにセミナーの数は減りましたが、
昨年まで月一回以上のペースで相続関係のセミナー講師を務めてきました。
私は税理士なので、相続の中でも相続税に関するセミナーが多いのですが、
その中に家族信託をテーマにするセミナーも増えてきました。
そんな中で以下のような認識されている方もおられます。
「家族信託によって相続税を節税しよう!」
「家族信託は相続税節税の新しい手法だ!」
さて、本当に家族信託によって相続税は節税できるのでしょうか?
答えは節税できません。
では、なぜ相続税のセミナーに、家族信託というワードが登場してくるのでしょうか?
それは、自分が死んだときの相続税を心配するようになるのは高齢者になったときであり、
高齢者になれば認知症のリスクが高まり、認知症に対する対策として家族信託が推奨されているからです。
具体的に相続税対策を進める上で家族信託が登場してくるケースをご紹介いたしましょう。
①土地の有効活用としてアパート建設計画を進めているケース
アパート建設計画は計画着手から竣工引き渡しまで長期間を要するので、
オーナーが高齢者の場合、引き渡しまでの間位にオーナーの認知度が進むリスクがある。
また、同時に銀行から融資を受けるため、資金調達計画にも影響を及ぼすリスクもある。
➁相続税の納税資金の確保するため、土地を売却するケース
現預金が余裕ない相続の場合、不動産をあらかじめ売却して相続税の納税資金として確保する場合、
仮に土地の上に入居者のいる借家があり、売買の前提として入居者に立ち退きを考えさるをえず、
立ち退き交渉に時間がかかり、その間にオーナーの認知度が進むリスクもあります。
①や➁のようなリスクを防ぐために、オーナーの後継者に信託の受託者として、計画を進めてもらいます。
ところで、2020年内に家族信託の契約をした際に、受託者が委託者の代わりにアパート賃貸業等の収益事業をしている場合には
受益者(委託者)の不動産所得関係の確定申告の義務は依然として続きますが、
それとは別に来年1月末日までに所轄税務署に「信託の計算書」を提出しないといけません。
家族信託の多くは税務申告を伴わないものなのですが、
収益事業については信託の計算書の提出義務がありますのでご注意ください。
広島では家族信託について相談できる税理士は少ないのですが、
相続税申告相談プラザひろしまでは相談可能です。
初回相談無料ですので、この機会を使ってご気軽にお問い合わせください。
令和2年12月17日FMちゅーピー放送