相続税専門税理士が解説します!相続税の税務調査の実態

年間300件以上の相続税の相談を受ける相続税の虎こと税理士の棚田秀利です。
2020年8月20日、FMちゅーピーで、「相続税の税務調査の実態」について話しました。

税務調査としては次の2つの種類があります。

① 強制調査

国税局査察部(通称:マルサ)が脱税しているのではないかという疑いで

納税者に対して行う税務調査です。

脱税額も多額になる見込みがあり、悪質なものに対して、

裁判所の令状に基づいて強制的に行われます。

昭和62年公開の映画「マルサの女」があまりに有名で

日本アカデミー賞を受賞するくらいに流行ったので、

税務調査は常にこのような形で行われる

(畳をひっくり返ししたり、庭を掘ったりして現金を探す等)ようなイメージはありますが、

実際には全体の税務調査の中でマルサの行う税務調査は1%程度しかありません。

➁ 任意調査

国税局査察部とは別の司式である国税局調査部・管轄税務署の調査官による調査です。

任意による調査だが、いい加減な対応をしていい訳ではなく

調査官には質問調査権があり、虚偽の答弁を行うと罰則がありますので、

やはり対応には注意を払わないといけません。

相続税の税務調査に時効はないのでしょうか?

「相続税の申告期限から5年」です。

言い換えれば「相続開始日から5年10か月」ということになりますが、

悪質で強制調査が入るような場合であれば、

「相続開始日から7年10か月」ということになります。

つまり、相続開始日から7年10か月以内は、いつ税務調査に入られても仕方がないので、

心配な日々が続くことになります。

ところで、税務署の人事スケジュールと税務調査には関連性があります

①税務署は例年7月10日に人事の辞令が出ることになっております。

そのため、7月10日から年内12月までの職務状況は次の人事考課に反映されますので、

税務署員も大きな「やる気」を持って税務調査することになります。

しかし、年が明けると税務署の恒例行事である所得税の確定申告の時期が来るので、

その対応のために税務調査は一旦休むことになります。

その前に着手された税務調査は続行することも十分ありえますが・・・。

そして、確定申告が終わった際に税務署の人事考課があるわけです。

納税者には恐ろしい税務署員も、公務員、雇われ人です。人事考課は恐ろしいのです。

人事考課の後に税務調査に着手しても、4月から6月までは人事考課に反映されないので、

結果的には彼らの熱量も下がってくることも多いです。

➁税務調査の際に「つきもの」の延滞税のことも話さないといけません。

延滞税とは税務調査の際に摘発された未納税金に対する利子のようなものであり、

申告期限から最長1年間納付するまでの日数で計算されます。

すると申告期限から1年を超えた時点で延滞税は満額になるので税務調査は高くなります。

①と➁の結論として、

申告期限から1年を超えて、

かつ7月から12月に税務署から税務調査の電話があると

ピンチだと思った方がよいかもしれませんね。

相続自体、一般の方々は一生の中で何度も経験するものではありません。

ましてや、マルサほどまでなくても税務署の任意調査なんて未経験であり、

実際に経験すると「プロの税務署員にやりこめられるのではないか?」

心配になられる方もおられると思います。

もちろん、税務調査がなるべくないような相続税申告書も作成させていただきますが、

いざ税務調査となっても税務調査の立ち合い経験が豊富な当事務所に任せていただければ、

トラブルも未然に防ぐことができます。

まずは、初回無料の相談にエントリーされたら、いかがでしょうか?

令和2年8月20日FMちゅーピー放送