マンションの相続手続きを解説!相続税申告の流れや計算方法、注意点とは

マンションなどの不動産を相続したときは、相続税の計算から名義変更まで、さまざまな手続きが必要になります。遺産分割や相続税の計算には専門的な知識を要するため、しっかりと知識を身につけて備えておくことが大切です。

この記事では、マンション相続の基本的な流れから相続税の計算方法、注意すべきポイントを詳しく解説します。トラブルを防いで適切に手続きを行うために、ぜひ参考にしてみてください。

マンションを相続するときの流れ

マンションの相続手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 遺言書を確認する
  2. 相続財産を調査する
  3. 遺産分割協議を行う
  4. 相続税の申告・支払いを済ませる
  5. 相続登記(名義変更)を行う

まずは、各ステップの詳細を説明します。

1. 遺言書を確認する

相続が発生したら、まずは遺言書の有無を確認しましょう。

遺言書には次の3種類があり、それぞれで開封や執行の手続きが異なります。

種類内容ポイント
自筆証書遺言遺言者自身が作成した遺言書・認知症など、一部のケースで無効になる可能性がある
・家庭裁判所での検認手続きが必要
・弁護士などの専門家に遺言執行人になってもらうと安心
秘密証書遺言遺言者が遺言の内容を記載した書面に署名押印して、公証人と証人2名に提出して署名押印して作成した遺言書
公正証書遺言遺言者が公証人と証人2名の前で内容を口頭で告げて作成した遺言書そのまま遺言の内容に従って相続手続きを進められる
※参考:日本公証人連合会「遺言

遺言書がある場合は、基本的にその内容に従って遺産分割を行います。ただし、相続人全員が同意すれば、遺言書とは異なる分割も可能です

遺言書の確認と並行して、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、法定相続人を確定させましょう。隠し子や養子など、予想していなかった相続人が判明するケースもあるので、漏れなく調査することが大切です。

2. 相続財産を調査する

相続財産は、マンションだけとは限りません。相続税の計算や遺産分割協議を適切に行うには、財産の全容を把握することが不可欠なので、他にも預貯金や株式、生命保険、借金などが遺されていないかを調査しましょう。

そのうえで、マンションについては以下の書類を収集して詳細を確認しておきます。

  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 固定資産税評価証明書
  • 管理費・修繕積立金の確認書類
  • 住宅ローンの残債確認書類
  • 賃貸借契約書(賃貸に出している場合)

見落とされがちですが、「管理費や修繕積立金の滞納がないか」「大規模修繕の予定はないか」などについても確認しておくことが大切です。これらの情報は、「相続すべきかどうか」の重要な判断材料になります。

3. 遺産分割協議を行う

法定相続人が複数いるときは、「誰がどの財産を相続するか」を決める遺産分割協議を行いましょう。マンションは物理的に分割できない財産なので、相続後の活用方法も含めて慎重に検討する必要があります。

マンション相続後は、居住もしくは売却、賃貸を選択可能です。「特定の相続人が居住する」という条件で合意できれば問題ないのですが、分割して相続する必要がある場合は、以下の方法を検討することになります。

分割方法内容適しているケース
現物分割特定の相続人がマンションを単独で相続し、他の相続人は別の財産を取得する方法・他に十分な財産がある
・迅速に処理したい
代償分割マンションを相続する人が他の相続人に対して代償金を支払う方法・特定の相続人に資金がある
・公平な分割を希望している
換価分割マンションを売却した代金を相続人で分配する方法・最もトラブルが少ない方法を希望している
・誰もマンションを必要としていない
共有分割複数の相続人でマンションを共有する方法一時的な解決策を求めている

それぞれの方法には異なったメリットがあるため、ご家族の状況や資金に合わせて判断することが重要です。最適な方法がわからない場合は、相続のプロである税理士に相談することがおすすめです。

4. 相続税の申告・支払いを済ませる

相続財産の総額が「基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)」を超える場合は、相続開始から10か月以内に相続税の申告・納付を行いましょう。

相続税の計算方法は、次のとおりです。

  1. 相続財産の総額を算出
  2. 基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を計算
  3. 課税遺産総額を法定相続分で分割
  4. 各相続人の法定相続分に応じた仮の相続税額を計算
  5. 各相続人の仮の相続税額を合算
  6. 実際の取得割合に応じて税額を按分

なお、相続税は現金で一括納付することが原則となります。現金で納付できない場合は、不動産による物納も可能です。

不動産は物納できる財産の第一順位に位置づけられているため、マンションそのものでの物納を検討することができます。ただし、物納には厳しい要件があり利子税もかかるため、慎重に判断しましょう。

相続税の詳しい計算方法については、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:相続税の計算は自分でできる?シミュレーションする方法を紹介

5. 相続登記(名義変更)を行う

遺産分割協議が成立したら、法務局で相続登記を行いましょう。相続登記は2024年4月から義務化されており、相続開始から3年以内に手続きを行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記の際は、登記申請書や遺産分割協議書、印鑑証明書、戸籍謄本などの書類が必要です。登録免許税として、固定資産評価額の0.4%がかかります。

相続登記が完了すると、マンションの名義が正式に変更され、売却や担保設定などの手続きが可能になります。

なお、相続税申告と相続登記はどちらを先に行っても構いませんが、それぞれ期限が異なるため注意が必要です。

※出典:法務局「登録免許税計算のポイント

マンションの相続税を計算するときのポイント

マンションの相続税を正確に計算するには、適切な評価額の算出が重要です。

ここでは、相続税の計算に欠かせない知識を紹介します。

相続税評価額を正確に算出する

マンションの相続税評価額は、建物部分と土地部分に分けて計算する必要があります。

それぞれの計算方法をみていきましょう。

建物部分の評価額

建物部分の相続税評価額は、原則として固定資産税評価額と同額です。

固定資産税評価額は、毎年送付される固定資産税納税通知書の「価格(評価額)」欄で確認できます。通知書を紛失した場合は、市区町村役場で固定資産評価証明書を取得しましょう。

マンションが賃貸に出されているときは、建物の固定資産税評価額から借家権割合(一般的に30%)を差し引いた貸家評価を用います。

土地部分の評価額

土地部分の評価額は、路線価方式または倍率方式で計算します。

評価方法概要計算式
路線価方式国税庁が発表する路線価を用いた計算方法路線価×敷地全体面積×敷地権割合
倍率方式路線価が定められていないエリアの土地を評価するときに用いる計算方法固定資産税評価額×敷地権割合×倍率

路線価と倍率は、国税庁の「路線価図・評価倍率表」から調べることが可能です。固定資産税評価額は、市区町村から送付される固定資産税の納税通知書に記載されています。

【早見表】土地にかかる相続税の税率とは?計算方法や注意点をわかりやすく紹介

相続税がかからないケースを把握する

相続税には基礎控除があり、相続財産の総額が基礎控除額の範囲内であれば相続税はかかりません。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人数)
※出典:国税庁「No.4152 相続税の計算

例えば、配偶者と子ども2人が相続人の場合、基礎控除は「3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円」となります。

この場合、相続財産が4,800万円以下であれば相続税は発生しません。マンションの相続税評価額が基礎控除内に収まるケースでは、相続税の申告自体が不要です。

関連記事:相続税の基礎控除とは?計算方法や間違えやすいポイントを解説

マンションを相続するときの必要書類・費用

マンションの相続手続きには、段階ごとに多くの書類の準備と費用が必要になります。

ここでは、押さえておきたい必要書類と費用をみていきましょう。

マンション相続に必要な書類

マンション相続の手続きでは、各段階で以下のような書類が必要になります。

手続き必要書類
遺産分割協議・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・マンションの登記事項証明書
・固定資産評価証明書
・遺産分割協議書
相続税申告・遺産分割協議書
・マンションの登記事項証明書
・固定資産評価証明書
・賃貸借契約書(賃貸中の場合)
・管理組合の重要事項に関する調査報告書
・管理費・修繕積立金の証明書
相続登記・遺産分割協議書
・相続人全員の印鑑証明書
・登記申請書
・相続関係説明図
・住民票の写し

書類の取得には、戸籍謄本で数日から1週間程度、登記事項証明書は即日から数日程度かかります。特に、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本は、転籍を繰り返していると複数の市区町村から取得する必要が出てくるので、想定以上に時間がかかるケースは珍しくありません。

マンション特有の書類として、「管理組合の重要事項に関する調査報告書」があります。これは、管理費・修繕積立金の滞納状況や、今後の大規模修繕計画などが記載された重要な書類です。マンションの評価に影響する可能性があるため、必ず取得しておきましょう。

また、マンションを賃貸に出している場合は、賃貸借契約書や家賃収入に関する書類も必要です。相続税評価額の計算に影響する書類なので、もれなく準備しておきましょう。

マンションの名義変更にかかる費用

マンションの相続手続きでは、以下のような費用が発生します。

費用項目金額詳細
登録免許税固定資産税評価額 × 0.4%相続登記時に法務局に支払う費用
司法書士報酬5万円~15万円程度登記手続きの代行費用
書類取得費用数千円~2万円程度戸籍謄本、印鑑証明書等の取得費用
相続税申告費用10万円~50万円程度税理士への依頼費用(遺産総額により変動)

登録免許税は法定費用のため軽減できませんが、司法書士報酬は事務所により異なります。費用を抑えたい場合は、複数の事務所から見積もりを取っておくと良いでしょう。

なお、相続税申告の税理士費用は、遺産総額や申告の複雑さにより大きく変動します。マンションの評価には専門的な知識が必要なので、相続税に精通した税理士に依頼することが重要です。

マンションを相続するときの注意点

マンションの相続では、以下のように一戸建てとは異なるポイントに注意が必要です。

  • 相続により負担が増加する可能性がある
  • 定期借地権付きマンションも相続税の対象になる
  • 配偶者が相続する場合は認知症対策が必要
  • 賃貸経営用の物件を相続する場合は「準確定申告」が必要

それぞれどのようなことなのか、詳しくみていきましょう。

相続により負担が増加する可能性がある

マンションを相続すると、管理費・修繕積立金(月額2万円~3万円程度)、固定資産税・都市計画税(年額数十万円)などの継続的な負担が発生します。さらに、老朽化によって大規模修繕が必要になれば、一戸あたり数百万円、建て替えでは数千万円の負担が生じるケースも少なくありません。

近年は、分譲マンションの供給過多によって、地域によっては売却・賃貸が困難なケースも増えてきました。マンションを相続するときは、将来のコストまで含めた総合的な判断が必要です。

定期借地権付きマンションも相続税の対象になる

定期借地権付きマンションは、地主から借りている土地に建っているマンションのことです。建物は「所有権」、土地は「借地権」という特殊な形態となっており、契約期間満了時には建物を解体して、土地を地主に返還する必要があります。

定期借地権付きマンションの場合、土地に相続税はかかりませんが、「借地権」が相続税の計算対象となる財産に含まれます

登記されていなければ借地権の名義変更は必須ではありませんが、相続の事実は地主に通知しておきましょう。また、建物に関しては名義変更を行っておく必要があります。

配偶者が相続する場合は認知症対策が必要

高齢の配偶者がマンションを相続するときは、将来の認知症リスクを考慮した対策が必要となります。万が一、認知症になると法的な判断能力が失われ、マンションの売却や管理に支障をきたしてしまうためです。

対策方法としては、「成年後見制度の活用」「家族信託の設定」「任意後見契約の締結」などがあります。なかでも、成年後見制度では売却時に家庭裁判所の許可が必要になるので、手続きが複雑化しやすい傾向にあります。トラブルを防ぐために、生前贈与を検討しても良いでしょう。

関連記事:家族信託とは?注目される理由からメリット・デメリットを解説

賃貸経営用の物件を相続する場合は「準確定申告」が必要

準確定申告とは、亡くなった人の1月1日から死亡日までの所得を、相続人が代わりに申告する手続きです。被相続人が賃貸マンションを経営していた場合、相続開始から4か月以内にこの申告を行わなければいけません。

例えば、被相続人が8月に亡くなった場合、9月以降は新しい所有者が不動産所得を申告しつつ、1月~8月分の準確定申告も行うことになるのです。

なお、入居者との賃貸借契約や管理会社との契約は、自動的に相続人に引き継がれます。相続後は、必要に応じて契約内容の確認と今後の対応について検討しておきましょう。

マンション相続に関するよくある質問

最後に、マンション相続に関してよく寄せられる質問について、専門的な観点から詳しく回答します。

相続税の申告や相続登記は自分でできる?

相続税申告は、自分で行うことも可能です。しかし、マンションの評価には複雑で専門的な知識が必要なため、専門家への依頼を強くおすすめします

特に、2024年から始まったマンション評価額の補正制度によって、評価水準の計算や補正の適用判定など、高度な知識が求められるようになりました。自分で申告すると、評価額の計算ミスによる過大申告や税務調査のリスクが高まる可能性があります。

相続登記は、比較的シンプルなケースであれば自分でも可能です。しかし、こちらも確実性を重視するなら司法書士への依頼がおすすめです。

マンション相続時に利用できる制度はある?

マンション相続では、税負担を軽減できる特例制度や、配偶者の居住を保護する制度など、さまざまな優遇措置を活用できる場合があります。

ここでは、代表的な制度について簡単に説明します。

相続税の配偶者控除

配偶者の相続財産について、「1億6,000万円」または「法定相続分のいずれか多い金額」まで相続税が軽減される制度です。例えば、遺産総額が2億円で配偶者と子2人が相続人の場合、配偶者の法定相続分は1億円ですが、配偶者控除により1億6,000万円まで非課税となります。

この制度は高い節税効果を発揮しますが、最初の相続で配偶者が多く相続してしまうと、子どもへの相続(二次相続)の税負担が大きくなります。そのため、二次相続まで考慮したうえで財産を分配することが重要です。

関連記事:相続税の配偶者控除は1.6億円!適用要件や注意点を解説

配偶者居住権

配偶者居住権は、令和2年4月に施行された比較的新しい制度です。文字どおり、被相続人が亡くなったあとも、住み慣れた自宅マンションに配偶者が住み続けられる権利を指します。

子どもたちがマンションの所有権を相続したとしても、配偶者は居住権を保有しているので、配偶者の居住を確保しながら財産承継を行えます。

配偶者居住権は所有権ではないので、売却や譲渡を行うことはできません。この権利は、配偶者の死亡により消滅します。

※参考:法務局「残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます。

小規模宅地等の特例

被相続人の居住用宅地について、限度面積330㎡まで最大80%の評価減が適用される制度です。

マンションの場合は、敷地権割合に応じた土地面積に対して適用となるため、実際に対象となる面積は限られます。例えば、敷地権割合が1/100のマンションの場合、敷地全体が3,000㎡であっても、適用対象となるのは30㎡分のみです。

節税効果が大きい制度である一方で、「配偶者が取得する場合」や「同居していた親族が取得する場合」など厳しい要件が定められている点に注意が必要です。

関連記事:相続税の賢い相続税対策「同居」とは?持ち家で活用できる「小規模宅地等の特例」について解説

売却する場合の取得費加算の特例

相続したマンションを売却するときに、支払った相続税の一部を売却時の取得費として加算できる制度です。この特例を活用すると譲渡所得を減額できるので、譲渡所得税を軽減できます。

制度を利用するための要件は、次のとおりです。

  • 相続や遺贈によりマンションを取得している
  • そのマンションを取得した人に相続税が課税されている
  • 相続開始から3年以内までに売却している

相続税を実際に支払った場合のみ適用される点と、期限が設けられている点に気をつけましょう。基礎控除内で相続税がかからなかった場合は、本制度を利用できません。

※出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

マンションの相続を放棄することはできる?

マンションの相続を放棄すること自体は、問題なく可能です

例えば、築古マンションで大規模修繕や建て替えを控えている場合は、多額の負担金が発生する可能性があるため、相続放棄も有効な選択肢となります。ただし、相続放棄する場合は、マンションだけではなくすべての財産を放棄することになります

希望する方は、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述を行いましょう。相続放棄は一度手続きすると原則撤回できないので、慎重に判断することが大切です。

公平な相続のためにしておきたい準備はある?

マンションは物理的に分割できないため、遺言書がないと相続人間で争いになる可能性が高くなります。公平な相続のために、以下のような準備も検討してみましょう。

  • 公正証書遺言の作成
  • 年間110万円の基礎控除枠を活用した生前贈与
  • 代償分割資金や納税資金確保のための生命保険活用
  • 家族会議での意向確認

マンションの将来的な活用方法(売却・賃貸・居住)についても事前に話し合っておくと、相続発生後のトラブルを防ぎやすくなります。

タワーマンションが節税になるってホント?

従来、タワーマンションは高い節税効果があるとされていました。

その理由として、購入価格と相続税評価額に大きな乖離があったことが挙げられます。タワーマンションは高層階ほど市場価格が高くなる一方で、相続税評価額は階数に関係なく計算されるため、評価額が大幅に低くなる傾向にあったのです。

しかし、令和5年9月に国税庁から「居住用の区分所有財産の評価について(法令解釈通達)」が発出され、マンションの相続税評価額の評価方法が見直されました。これにより、マンションの評価額が時価の60%を下回る場合は、評価額が引き上げられる補正が実施されるようになっています。

つまり、現在はタワーマンションの高層階において、以前ほどの節税効果は期待できなくなっているのです。

マンションの相続は専門家にご相談ください

マンションの相続は、評価方法の複雑さや各種特例の適用判定、管理組合との関係など、一戸建てとは異なる専門的な知識が求められる分野です。

近年のマンション市場の変化や、築年数の経過による建て替え問題なども考慮すると、単に相続手続きを完了させるだけでなく、長期的な視点での財産承継戦略が必要になります。相続税の軽減だけでなく、相続人の生活設計や将来的な資産活用まで含めた総合的なプランニングが重要です。

相続税申告相談プラザひろしま」では、相続と向き合い30年以上の専門家が相続手続きのサポートを実施しています。マンションの相続でわからないことやお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。