年間300件以上の相続税の相談を受ける相続税の虎こと税理士の棚田秀利です。
2020年3月19日、FMちゅーピーで、アパートの一サブリースプランの長所、短所を話しました。
通算50回目の放送です。
アパートを建設した際には次の不安が生じると思われます。
1.大きな借金をしてアパートを建てたものの、入居者が入るのだろうかという不安
2.いろんな入居者が入るにあたっての煩雑さに対する不安
そうした不安を解決するものとして、
業者さんからサブリースを提案されることがあります。
サブリースとは、一括借り上げともいい、
上記の図のように業者さんがオーナーから建物を一括借り上げして、業者さん自らが入居者を募集して、転貸するシステムです。
業者さんは上記の図の
(各々の家賃)-(借り上げ家賃)
が利益の源泉です。
さて、このサブリースですが、以下の点で疑問です。
1.上の説明のように業者さんの(各々の家賃)-(借り上げ家賃)が利益の源泉ですが、
その分オーナーの収支が悪化することになります。
2.1の疑問はある意味業者へ「安心料」を支払っているという考えで解決しているのかもしれません。でも、それは本当に「安心料」でしょうか?
アパートというものは築浅であれば築浅であるほど入居しやすいはずです。
新築であればなおさらです。
そもそも建築計画の段階で、入居者が入るという見込みのもとではなかったのではないでしょうか?
入居者が入らないかもしれないのであれば、最初から建築すべきではないということになります。
ということから考えると、本当に安心料を払う意味があるのでしょうか?
かといってサブリースに関して必ずしも反対という訳ではありません。
本当に「安心料」の役目を果たすこともあるでしょう。
そこでサブリースの契約をする際に、契約事項の確認を慎重にされた方がよいかと思います。
そのチェックポイントは次の4つです。
1. 契約期間は何年でしょうか?築10年以内はアパートの黄金期であり、特に業者が介在しなくても入居には困らないと思われます。
2. 借り上げ家賃の金額はずっと固定でしょうか?変更となる時はどういうルールでしょうか?変更できると言っても最低保証家賃はないのでしょうか?
私が見たことのある契約書には、業者さんが都合のよい時に借り上げ家賃を減額できるようになっていました。(ガクガク)
3. 途中解約はオーナー・業者ともにできるのでしょうか?解約するのにペナルティを払わなくてはいけないことはないでしょうか?仮に解約するとして事前通知を何か月前にしなくてはいけないというルールはないでしょうか?
4. 家賃は契約当初から入るのでしょうか?待機期間とかないでしょうか?
以上、サブリース契約の締結には、慎重にされてください。
こういった話を業者さんと直接話をする前に、ちゃんとした専門家と話し合った方がよいと思われます。
相続税申告相談プラザひろしまは、専門は相続税申告ですが、相続税対策のアパート建設はもちろんのこと、多数の不動産賃貸契約も経験しておりますので、広島の不動産オーナーに対して的確なアドバイスができると思います。