年間300件以上の相続税の相談を受ける相続税の虎こと税理士の棚田秀利です。
2020年4月2日、FMちゅーピーで、配偶者居住権と遺産分割協議書・遺言について、話しました。
従来の民法では、下の図のように自宅を所有するお父さんが亡くなった後、お母さんがその自宅に住み続けようとすれば、その自宅の所有権を相続するしかなかったのです。
ところが、これに対して今月から施行された配偶者居住権によると、お母さんは所有権を持たなくても配偶者居住権を持てば、その自宅に無償で居住し続けることができます。
従来の所有権を配偶者居住権と配偶者居住権が設定された所有権に分割したうえで、遺言なり遺産分割協議なりでお母さんが配偶者居住権を相続し、子供は配偶者居住権が設定された所有権を相続します。
また、被相続人の配偶者が配偶者居住権を取得するには、
①その配偶者が、被相続人の建物に相続開始の時に居住していたこと
②被相続人の遺言書にその内容が書かれるか、遺産分割協議で決める
の二つの条件をクリアするしかなく、配偶者が亡くなったからといって、生存している配偶者に自動的に配偶者居住権が与えられるわけではありません。
さて、この自宅の所有権を子供が相続して、子供がその自宅を第三者に売却した場合は、お母さんは追い出されるのでしょうか?
配偶者居住権をお母さんが購入した第三者に主張するためには、配偶者居住権の設定の登記が必要です。
お母さんはその登記を子供に求めることができます。
この配偶者居住権に対して、配偶者短期居住権というものがあります。
配偶者が居住建物の遺産分割に関与する場合は居住建物の帰属が確定するまでの間(ただし、最低6ケ月間)は居住してもよいことになっています。
これを配偶者短期居住権といい、遺言に記載されていなくても保証されます。
配偶者居住権は令和2年4月からの施行であり、全く新しい規程です。
この運用次第によっては、従来の民法の遺言でできなかったことも可能になります。
しかし、運用によっては皆さんに大変不利な結果となることも予想されますので、ぜひ広島の相続税申告において多くの実績がある相続税申告相談プラザひろしまへお気軽にご相談下さい。
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