相続税申告は、一般的には相続人全員が一つの申告書に記名して押印して提出します。しかし、相続人同士で揉めている場合にはそれが困難な場合もあります。そんな場合にどうすべきか、相続税専門税理士が解説します。
各自で申告書を作成し、提出することが可能です。
相続人同士で揉めている場合、相続人ごとに各自で申告書を作成し、提出することが可能です。
しかし、各自で申告書を作成し、提出することは簡単ではありません。
実際に相続税の申告書を作成しようとすると、自分以外の相続人について記載しないといけません。
①まず、法定相続人の数で重要な基礎控除の金額が決まります。
➁相続税の計算は、相続財産の集計→法定相続人が法定相続分で相続したとして計算された各相続税を集計して相続税の総額→各自相続人が実際に相続した財産の金額に応じて按分という過程で計算されます。
以上の点で、申告書には自分のことだけでなく、自分以外の相続人の情報(取得した財産の情報等)を記載しなければいけない課題が残ります。
揉めている相手の相続人から実際に提出した相続税申告書を見せてもらう等の協力を得られるか?
別の相続人に提出した申告書を見せてもらえれば楽に申告書は作成できますが、
相続人同士が揉めているのですから、そのような協力は困難であると考えるべきです。
税務署に行って、他の相続人が提出した相続税申告書を見ることができるか?
他の相続人が申告書を提出した税務署に問い合わせて申告書を見せてもらえれば、楽に申告書を作成することができますが、
他の相続人が提出した相続税申告書を閲覧することはできません。
相続人各自で資料を収集し、ゼロから申告書を作成し提出しなければいけません。
しかし、ゼロから申告書を作成するには以下の問題点が出てきます。
税務調査のリスクが非常に高くなります。
相続人各自で提出した申告書同士の間で食い違いがあると、どれが真実なのかわかりません。そのため、必然的に税務調査が入られる可能性が高くなります。
税理士の申告費用が高くなります。
税理士の相続税の申告費用の総額は、被相続人の相続財産の総額を主として様々な要件により申告費用の総額が決まっていることが多く、その総額を相続人同士で共同で負担し合うことが多いです。
相続人同士で揉めると、各自別々の税理士に依頼して相続税費用を共同で負担しあう人がいなくなるために、相続人一人あたりの相続税申告費用が高くなることがあります。
結論的には、相続人同士でもめている場合には、思いもしないコストを抱えることになりますので、ある程度は譲り合うべきだと思います。
相続税申告相談プラザひろしまは、相続に強い弁護士事務所とも提携していますので、争族っぽい相続の申告経験も豊富です。
初回相談無料なので、遠慮なくご相談下さい。
令和5年11月16日FMちゅーピー出演放送137回目