両親の片方の親を亡くした際に、もう片方の親が全財産を引き継ぐのが一次相続での相続税は低く収まります。しかし、それではもう片方の親に相続が発生した際に、割高な相続税が発生する可能性が高くなります。
配偶者の税額軽減とは
被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した相続財産が次の金額のどちらか多い金額までは相続税がかかりません。
①1億6000万円
➁配偶者の法定相続分
つまり相続財産が1億6000万円までは、配偶者に相続税が課税されることはありません。
お父さんが最初に亡くなった際の相続税を一番抑えたいと思えば・・・。
相続税を一番低く抑えたいと思えば、お母さんが全財産を相続すれば相続税が一番低くなります。
また、お父さんが亡くなった際の相続財産は、お父さんとお母さんの共同で作られた財産という意識も高く、お母さん全部相続するのは自然な方向であり、実際にこういったケースが多いです。
お母さんが全部相続すると、お母さんが亡くなった際の相続税が高くなります。
お母さんが亡くなった時には以下の点で、相続税が割高になってきます。
①お母さんが相続したお父さんの相続財産にお母さんが元々持っていた固有の財産が加算されるため、お父さんの相続時より相続財産は高くなります。
➁相続税を計算する際の基礎控除が3000万円+(法定相続人の数)×600万円であったり、生命保険金の非課税枠が(法定相続人の数)×500万円だったり、お母さんの相続の際に法定相続人の数が一人減っていることにより、控除できる金額が減少して、課税標準が大きくなります。
結論的には、一次相続時で相続税を払ってでも子がある程度の財産を相続した方が、一次相続・二次相続の合計額が低くなります。
将来の相続も踏まえて相続税のシミュレーションをして、一次相続での遺産分割を決めるべきです。
相続税のことだけを考えれば、一次相続時に子がある程度の財産を相続すべきです。
しかし、ただ相続税のことだけでは考えるわけにもいきません。
2019年6月に金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」が公表され、「老後2000万円問題」が取り上げられました。これは老後の30年間で約2,000万円が不足するというものです。
今回のケースで考えると、お母さんの老後必要な資金(生活資金・医療資金・自宅の改修資金・老人ホーム資金等)も考えていかないといけません。
相続税申告相談プラザひろしまでは、お母さんの老後必要な資金を確保した上で、一次相続時に子がどの程度相続したら一次相続・二次相続時の相続税合計額が低く収まるかを丁寧にシミュレーションさせて頂きます。初回相談無料なので気軽にご相談下さい。
令和5年9月7日FMちゅーピー出演放送133回目