相続財産の評価

相続税の課税額は相続する財産の額により決まるため、相続税申告をする前に相続財産の額を把握する必要があります。この相続財産を金額に直すことを相続財産の評価と言います。

広島の皆さま、財産の種類により相続財産の評価方法は様々あり、特に不動産の評価については、土地の形状や周辺環境等の条件により評価方法が異なります。そのため、他の財産と比べ専門性の高い知識が必要です。また、株式や投資信託などにも、それぞれに評価方法が決まっており、どの方法で評価をするか判断しなくてはなりません。つまり相続税における財産の評価は難易度の非常に高い作業と言えます。
広島で相続税に特化している相続税申告相談プラザ ひろしま では、ご自身での判断が難しい場合、広島の専門家へのご相談を推奨しております。

ではここで、広島の皆さまと相続財産の評価に必要な資料について確認していきたいと思います。

プラスの相続財産の評価

プラスの相続財産は被相続人が所有していた現金、預貯金、株式、不動産、動産、未収入金等です。それぞれの評価方法と必要書類については下記をご覧下さい。

預貯金の評価

被相続人名義で金融機関に預けている預貯金は、残高そのままが評価額です。残高確認は、被相続人の死亡日の預貯金残高証明書等により行えます。

  • 残高証明書
  • 金融機関の預貯金通帳(死亡日より前5年分)
  • 定期預金がある場合は、定期預金証書と経過利息

もし被相続人の死亡日直前に銀行から出金した現金が、死亡時に手許に残っていた場合、手許現金として相続財産に含め計算します。

生命保険金等の評価

生命保険金は被相続人の所有していた財産ではない為、民法上では相続財産ではありません。しかし、被相続人が死亡した事により相続人の財産となるため、相続税の計算上は相続財産とみなし課税対象となります。

  • 死亡保険金の支払い明細書
  • 保険証書

未収金の評価

被相続人に係る将来支払われるであろう未収金(退職金、最終給与、貸付金等)などがある場合には、金額を証明する書類が必要です。

  • 契約に基づいた未収金がある場合は、その請求書や契約書など
  • 死亡退職金、弔慰金、最終給与支払などの明細書
  • 貸し付けている金銭等がある場合には、その金銭消費貸借契約書

不動産の評価

被相続人名義の不動産は、対象不動産の所有権や面積等を証明できる書類が必要です。

  • 登記簿謄本
  • 固定資産税評価証明書
  • 住宅地図
  • 路線価図
  • 土地の公図、地積測量図など土地の形状や面積がわかる資料
  • 賃貸の場合は、賃貸借契約書

有価証券(上場株式等)の評価

上場株式や国債を所有していた場合も相続財産になります。評価には各財産の時価を証明する書類が必要です。

  • 株券と配当金の通知書
  • 証券会社が発行した残高証明書

自社株等(非上場株式等)の評価

上場していない自社株などの評価方法は、その発行元の会社について評価を行いますので、下記のような会社が保有する資産、負債に関する資料が必要です。

  • 法人税申告書
  • 決算書(過去三年分)
  • 上場株式や有価証券を保有している場合には、その上場株式の評価に必要な書類
  • 不動産を保有している場合には、その土地評価に必要な書類

マイナスの相続財産の評価

住宅ローンや借入金、未払い金、また葬儀費用などマイナスとなる財産は、相続財産から差し引いて計算します。

借入金の評価

被相続人が金融機関から借り入れしていた際、返済残高が死亡日時点でまだ残っている場合はマイナスの財産として相続財産から差し引いて計算できます。

  • 金銭消費貸借契約書
  • 借入金残高証明書、又は借入金返済予定表等

未払金の評価

死亡日時点で、クレジットカードの請求や税金等、未払いのままとなっているものもマイナスの財産として、請求金額がそのまま評価額となります。

  • クレジットカードの支払いが未払いの場合にはカードの明細書
  • 固定資産税、所得税、住民税などの未払いの税金に関する通知書や領収書
  • 死亡後に支払いをした医療費等がある場合にはその請求書や領収書
  • その他、各種請求がある場合にはその請求書や領収書等

葬式費用の取り扱いについて

葬式費用は未払い金扱いになり、マイナスの財産として扱われるため、下記のような葬儀関係の費用は、相続財産から差し引いて計算できます。

  • ご遺体の捜索や運搬費用
  • 通夜など葬式前後にかかった費用
  • お寺などへの読経料などの費用
  • 葬式や葬送、火葬、埋葬、納骨費用

※注意)墓石や墓地の購入費、初七日や法事費用はマイナスの財産として扱われません。

広島の皆様、財産の評価は確実に進めていかなければなりません。
財産評価は、どのような財産を持っているかによっても異なります。自分たちの遺産相続ではどのような手続きが必要で、各手続きはいつまでに済ませなければならないのかというような全体像を把握しておきましょう。

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